2023年4月12日(水)
『Psychiatric Service Dog』という言葉に初めて出会った。
サービスドッグとは身体的・精神的に不自由のある人を介助する犬のこと。一般的に最も知られているのは、盲導犬だろう。
ここアメリカでは、サービスドッグはADA (Americans with Disabilities Act)という障害者の基本的人権を守るための法で守られている。飛行機を含むあらゆる交通機関の搭乗、飲食店の出入り、ホテルの滞在等、あらゆる場所で制限を受けることなく活動ができる。
サフィーを迎える前から、どうせ飼うならサービスドッグの訓練を受けさせてみたいなぁ、なんてぼんやり思っていた。
けれど、調べてみると大きな壁にぶち当たる。それは、時間と金額だ。
いくつかのサービスドッグ訓練学校を調べてみたけれど、自分の飼っている犬をトレーニングに出す場合大体どこも似たり寄ったりで、入学年齢は1歳以上、訓練期間は8ヶ月から12ヶ月、金額は約$4,000-8,000。
あるいは、トレーニングをされた犬を購入するというオプションもあるのだけれど、値段はさらに跳ね上がる。
というわけで諦めていた。それに、盲導犬ぐらいしか知らなかった私は、自分をサービスドッグの対象として考えておらず、ただただその訓練に興味があった。
けれど、今日ふと思ったのだ。『こんなに高額なら、お金がある人しか飼えないってこと?本当に必要としているはどうしているのだろう。おかしい。』
そんなわけで、またなんとなーくインターネットでサービスドッグについて調べていた。
すると、サービスドッグというのは、5種類あるという情報を見つけた。
- Cardiac Service Dog(心臓疾患がある人を支える):症状の変化をいち早く察知し、倒れた場合には助けを呼びに行く。薬を持ってくる。
2. Mobility Service Dog(介助犬、肢体不自由な人を支える):ものを取ってきたり、置いてきたり、歩行中に邪魔なものがあったらどけたり、転ばないように配慮する。
3. Allergen Detection Service Dog(アレルギーを持つ人を守る):犬の鋭い嗅覚を使って、飼い主をアレルギー物質から守る。
4. Psychiatric Service Dog(精神疾患を持つ人を支える):飼い主の変化をいち早く感知する。うつ、PTSD、OCD、パニック障害を患う人, 幻聴や幻覚、自殺行為などの精神的な症状がある人を助ける。
5. Guide Dog(盲導犬、視覚障害者を支える):飼い主が安全に歩け、生活できるように介助する。必要に応じ、様々な面で助ける。
(さらに調べてみたところ、他にも糖尿病疾患や聴覚障害を持つ方を介助する犬もいるのだそう。)
『んん?このPsychiatric Service Dogってのは何?初めて聞くぞ。』
読み進めてみると、精神疾患を持つ人しか飼えないと書いてある。そして、その中に、「うつ」の文字。
そう、私は見つけてしまったのだ。Psychiatric Service Dog。重度うつを患う私も対象になっている。
確かに、サフィーを迎えてからの私の回復は急速に進んだ。動物嫌いだった私には、犬がこんなにも人間を助けてくれるのだと驚かされた。
今はサフィーが愛おしくて愛おしくて仕方がない。1分でも長く一緒にいられたらな、なんて常々思っていた。
次に、どのようにPsychiatric Service Dogを訓練するかを調べた。
すると、テキサス州では自分でサービスドッグを訓練して良いことがわかり、オンラインでそれを指導してくれるところがあったのだ!
値段も段違いにお安く、約$550。それが今は$350まで値下がりしていた。
『詐欺かな?』
そう思い、電話で問い合わせると、対応もしっかりしているしサイトも明確だった。大まかな内容は、9つのモジュールとテストをオンライン上で受ける。そして、5つの課題を各最低30秒のビデオに撮って提出すること。モジュールで訓練方法を懇切丁寧に説明するので、超初心者の私にもサービスドッグの訓練ができるという。
やらずに後悔するより、やってみよう。何か得るものは必ずあるだろう。
ということで、早速Psychiatric Service Dogのコースに申し込んだ。
さてさて、現在5ヶ月、元気いっぱいのサフィーのトレーニングが始まる。半年はかかるだろうか?気長にやって行こう。
(Psychiatric Service Dog が具体的に何ができるかを知りたい方は、ここから『メンタル犬、特有の技ってなあに?』の記事へどうぞ。)
(『サービスドッグ・オンラインコース』につづく)