アメリカ日常生活 燃え尽き症候群・重度うつ病 読書

重度うつ病のこと

私のうつ病の経験を書こうと思うが、なかなか気持ちが進まない。

記事を書くために、過去をなぞろうと少し振り返るだけで、心が重たくなってしまう。

しばらくサフィーのことなど、日常のことを中心にブログを進めていきたいと思う。

うつ病のことについては、多少時間がかかるかもしれないが、少しずつ、無理のないように書いていきたい。

きっとどこかの誰かに役に立つように思うから。そして、そう思って、できる限り日記をつけていた。

ところで、先日Yahoo!ニュースで興味深い記事を読んだ。

うつ、休業「2度の無職」を経験した彼女の大発見』というタイトル。燃え尽き症候群、重度うつ病を経験された、江藤美帆さんという方へのインタビュー記事だ。

その記事を読んで、あまりにも私の状況に酷似していたので、つい引き込まれてしまった。私も彼女のように復活できるかもしれない、と勇気をいただいた。

短い記事なので、よかったらぜひ読んでみてほしい。

私はまだ『回復期』にあり、薬物療法とTMS (Transcranial Magnetic Stimulation)治療を受けている。また、平日は、IOP (Intensive Outpatient Program)と呼ばれる、オンラインのグループカウンセリングに参加している。(TMSは日本ではまだ珍しい治療だと認識している。これらのことについても、後々詳しく書いていきたい。)

現在はかなり良くなってきたが、睡眠、記憶、集中がまだまだ回復半ばだ。

睡眠は、だいぶ質は上がってきたものの、数時間寝付けない上に、3−4時間後には目が覚めてしまう。目覚めた時には、すでに考え事をしているような状態なのだ。初めのうちは、睡眠の質もかなり悪く、眠りは非常に浅く、寝たかどうかも判断し難い状態だった。睡眠時間は、良い時で30分から1時間。また、1分も眠れない日もしばしばあり、常に頭に深い霧がかかったような、強烈に重たく、何も思考できない状態が一日中続く。それに吐き気が伴う。それが、何ヶ月も何ヶ月も続いた。こんな状態で、生きている意味があるのだろうか、と何度も考えた。無意識のうちに、自殺してしまうのではないか、と不安で仕方なかった。まさに生き地獄だった。その時と比べれば、今はずいぶん楽である。

記憶は、今も大変に苦労している。もともと記憶力がよく、スケジュールも全て頭の中で管理できていた。けれど、それも今は難しい。手帳に書いていても忘れてしまうのだ。うつ病になってから、何度予約をすっぽかしてしまったことか。また、コンロの消し忘れ、家の鍵のかけ忘れ、薬の飲み忘れ、薬の量と飲む回数の間違いなどは日常茶飯事。今はだいぶその回数も減ってきたが、まだまだ怪しい。今日も鍵をアパートの部屋に置いたまま、お散歩に出てしまい、ロックアウト。サフィーと二人で、大雨の中、誰かが来るのをずっと外で待っていた。寂しいことに、これにももう慣れてしまった。

今まで記憶に関することで、大きな問題だ、と感じたことがいくつかある。そのうちの3つをここに記す。(実は、職場を離れなければならないと私を決意させたのも、記憶の問題だった。これはいつか書こう。)

1つ目は、4年以上通い慣れた、ドクターのオフィスに辿り着けなかったこと。どう頑張っても道が思い出せなくて、病院内を歩き回った。不安で不安で仕方なかった。家をだいぶ早く出たのにも関わらず、着いた時には予約の時間に遅れてしまい、自分が情けなくて、無力で、子供のようにわんわん大泣きしてしまった。

2つ目は、先月起きた出来事。スーパーのセルフレジで、買い物かごから商品を出し、そのまま袋に詰めていたこと。そう。スキャンをせずに。途中で気づいた時には、心臓が一時停止したのかと思うほど驚き、思わず『オーマイガー!!!!』と叫んでいた。周りの人からしばしの注目を集めてしまったが、その後、袋から商品を全て出し、スキャンをして買い物を終えた。この頃には、物忘れに気づいた時の驚きにだいぶ耐性ができており、落ち着いて事後処理をしたものの、非常に焦った。

そして最後は、一昨日のこと。ドアの鍵穴に鍵を差し込み、鍵を回そうとするが回らない。アパートの部屋番号を見ると、違う部屋だったのだ。違う階に降りたことに気付かなかった。サフィーと共に、慌ててその場を離れた。夜のお散歩の後だった。家の中にいた方には、さぞ恐ろしい思いをさせたことだろう。気付かなかったことを祈るしかない。

こういうことが起こる度に、ああ、まだまだなんだな、とどうしても考えてしまう。また、自分を信用できなくて、深く傷つく。ただただ、悲しくなるのだ。

そして、集中。いい例は、本が普通に読めないことだ。これもだいぶ良くなったが、ひどい時は同じ文章を10回以上読んでも理解できなかった。今は数回で済むし、理解もできる。けれど、健常時に比べて、読書に時間がかかることがもどかしく、やる気が低下している時には、読書自体難しくなることがつらい。加えて、長いこと集中できない。これは睡眠も大いに関係していると思うが、すぐに疲れてしまう。

ちなみに、初めの頃は、認知症を発症したのかと本気で心配になり、かかりつけのドクターにテストをしてもらった。結果、異常なし。

これが現在の私のうつの状況。でも、だいぶ前向きになってきたし、サフィーを迎えてから断然活動量が増え、外に出ることもできるようになった。

この先、いつ、どんな形で社会復帰できるのか、まったく先が見えないけれど、今生かされていることに感謝しようと決めている。

今は休むことがキーだ、と分かっているのに、休職している自分に焦りと罪悪感が消えずに、心の奥で闘っていた。

そんな時に先の江藤さんの記事に出会い、彼女から、『それでいいんだよ』と言われているようで、また少し心が明るくなった。

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