気管支炎の症状もだいぶよくなってきたものの、強い咳と、それによる嘔吐がまだ続いている。
咳のために起こるひどい頭痛も相変わらずなのだけれど、抗生剤の服用が終わったので、手持ちの痛み止めを飲めるようになったことが、救いだ。
今日は『犬のしつけ』について考えてみたい。
みんなは、犬のしつけをする上で、犬に手を上げるだろうか?
昨日、サフィーのお友達のオーナーさんとお話ししてから、そんなことを考え始めたのだ。
うちに犬のしつけに関する本が10冊ほどあって見直してみたけれど、もちろんどこにも犬に手を上げることが良い、と書かれている本はない。
でも、実際にいろんな人と話してみると、手を上げる方法をとっている人が多そうなんだよね。
サフィーがイタズラをした話をすると、『叩け!』という人が多いんだ。
そして、その人たちは、自分の犬が悪いことをしたときには、叩くのだそう。
あ、これは、アメリカ人からも日本人からも、同じような意見をもらったのよ。
それに、泊まりがけのしつけ教室やサービスドッグの訓練では、教えた通りに動かない場合には、ショックを与えて教える方法をとるという話も聞くよね。
これも、痛みを与えて教えるという点で、同じ。
痛みを与えれば、聞き分けの良い犬にはなるだろうけれど、果たしてそれがサフィーにも必要なのかしら??
以前、このブログでサフィーが私の枕に手を出したことは書いたけれど、私が病んでいる間にも、サフィーはいろいろとやらかしてくれた。
私のメガネ、リテイナー(夜間に歯に付ける固定器具。日本語訳が見つからなかった)、新品のサンダル・・貴重なものを次々と破壊した。
その中でも、メガネの被害が一番痛かった。
もう使い物にならないほど噛まれていたのだよね。
眠る直前までメガネをかけているので、ベッドに入るときには、メガネはいつも枕横に置いてあるのだ。
夜中目が覚めて、メガネをかけずにベットを離れている隙に、サフィーがメガネを見つけたようだ。
ベッドルームに戻ると、サフィーはお尻だけを出してベッドの下に潜り、何かをガリガリ噛んでいる。
『ああ・・また何か噛んでるなぁ。』と思いながら、私はベッドに潜った。
が、しばらくして、『あのカリカリいう音って何?』と気になり、頭の中で、噛むとあの音が出るプラスチックのものを次から次に想像した。
そして、急いで枕の横に手を伸ばした。
あるはずのメガネに、手が当たらない!
『まさか・・』
部屋の電気を付けて、ベッドの下からお尻だけを出しているサフィーに近づいた。
上半身はしっかりベッドの下。
一応隠れているつもりなのだ。悪いことをしている自覚はあるのだろう。
一心不乱に何かをガリガリやっている様子。
近づいて、口元を見る。
『サフィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!』
サフィーがガリガリしていたのは、やっぱり私のメガネだった。
『やられた!!!!!!』
大したものではなかったら、そのまま齧らせておくけれど、今回はそうはいかない。
そのメガネは、私にとって超高額の代物なのだ。
私は超がつくほどのど近眼で、メガネを一つ作るのにもかなりのお金がかかる。
日本ではだいぶお安くメガネが作れるらしいが、アメリカではそうはいかない。
私のメガネは$1,000 (15万円) ほどかかり、作るたびに泣きたい気分になる。
その原因は、レンズにある。
超ど近眼用のレンズは、そのままだと厚すぎて、フレームにレンズが収まらないのだ。
だから、レンズを薄く加工しなくてはならない。
それにかなりのお金がかかる。
まぁ、実際には、最大限に薄くしても、フレームからレンズがはみ出しているのだけれども・・😅
というわけで、さすがの私も、サフィーが咥えているそれをひっぺがしにかかった。
もうその時点で、メガネは使い物にならないかもしれないけれど、関係ない。
真夜中なのに声を張り上げ、ベッド下にいるサフィーの口からメガネを引っ張った。
私の本能がサフィーからメガネを奪いかえせ!と言っている。
サフィーはこんなに怒った私を見たことがない。驚きの顔でこちらを見つめている。
でも、サフィーもメガネを渡すまいと、必死で抵抗。
それでも引かない私。
激しい攻防戦をしばらく続けた後、サフィーがついに動物の本能剥き出しにして、威嚇してきた。
でも、今日の私は負けない。
なにしろ高額のメガネがかかっているのだ!
サフィーを押しのけて、ついに私はサフィーからメガネを奪った!
が、次の瞬間、サフィーが私の指を強く噛んだ!
『あーーーーっ!』
めちゃくちゃ痛かった。血がじんわりと出てくる。
指を押さえながら、メガネの状態を見た。
『あああ・・・😫』
遅かった・・。遅すぎた・・。
メガネはもう使い物にならないほど、噛まれていた。。
丁寧に加工されたレンズには、サフィーの歯形が無数についている。
眼鏡のモダンは完全に破壊され、中の金属が剥き出しに。
リムもしっかり削られている。。
『ああ・・完全に修復不可能だ・・。』
サフィーは今までいろいろ壊してきたけれど、今回は額が違う。
私の怒りの限度を超えてしまった。
そこから、私がサフィーにどう接したのか・・。
『これは触っちゃいけないの!!!!』
なんて一通り注意した。
そして、ベッドルームからサフィーを追い出し、ひたすら無視。
その夜、サフィーは、リビングルームのカウチで眠った。
翌朝、ベッドルームのドアをカリカリしながら、寄ってこようとする。
でも、無視。
朝のお散歩に連れて行く。
それでも無視。目も合わさない。
サフィーが何度も飛びついてきたけれど、それも振り払い、無視をし続けた。
『大人気ないよな。いや、でも、今きっちり教えなくっちゃ。サフィーは理解できたのかな?いつ無視をやめようか・・。』
散歩中、ずっとそんなことを考えていた。
そして帰宅後、サフィーを1人でお留守番させて、私1人で食材の買い出しに出掛けた。
買い物から帰って来たのを機に、そのサイレンス療法を打ち切った。
そして、もう一度サフィーに説明をした。
ボロボロになったメガネをサフィーの目の前に出して見せる。
『これは触っちゃいけないの。わかった?』
分かっているのか、いないのか、私にはわからないけれど、そんなことを説明して、終了した。
と、そんな出来事があったのだ。
その後も、やらかしてくれた。
リテイナーも被害にあって、今作り直している最中だ。
これも痛い出費となった。
でも、リテイナーのときは、メガネのときのように怒る気もせず、注意をして終わった。
それよりも、『もう高いところに届くようになったのだから、壊されたくないものは、しっかりしまうようにしなくちゃな・・』と思ったし、サフィーの無邪気な顔を見ていると、とにかく可愛くて仕方ないのだ。
そして、昨夜の出来事。
サフィーを連れてお散歩をしていると、サフィーのお友達のステラちゃんに遭遇。
ステラちゃんは、若いカップルに飼われている。
久しぶりに会ったので、最近の出来事を話していた。
サフィーが最近、私のメガネやリテイナーを壊したことを話すと、若いステラちゃんのパパがものすごくビックリして、『ええええ!!!!そんなことをステラがやったら、絶対に叩いてる!』と興奮気味に言った。ママもそれに賛同していた。
ステラちゃんが以前、パパの靴を噛んでダメにしてしまったことがあって、パパはすぐに靴を取り返し、それでステラちゃんの鼻を叩いたそう。
それ以降、ステラちゃんは、パパの靴をダメにすることは一切なくなったのだとか。
他のことに関しても同様で、ステラちゃんが悪いことをした時には、鼻を叩いて、その行為がいけないことを教えるのだそうだ。
で、私がサフィーを叩いたか聞かれたので、『いや、叩かなかったよ。』と答えた。
ステラちゃんのパパ曰く、『犬は言葉では分からないから、悪いことをしたら叩く必要がある』というのだ。
う〜ん・・。そうなのかな?私、甘すぎるのかな?
ちょっと気になって、サフィーがこれまで壊したものの被害総額を計算してみた。
サフィーは今月末に1歳になるのだけれど、覚えているもののみ算出したところ、ここまでで約$3,500 (525,000円)!
恐ろしいよね。
でも、私、これまでサフィーにものを壊されて、手をあげたことはない。
なぜかな?って考えたのだけれど、まず、手を上げてしまえば、サフィーとの信頼関係が壊れてしまう気がするんだ。
ずっと一緒にいるのに、恐怖心を持って接するなんて、つらくない?
私自身、親から手を上げられたことがあるけれど、この年になっても忘れないものね。
確かに、主従関係をしっかり築くことが大切だ、というけれど、手を上げる以外のやり方はいくらでもあると思うの。
それに、特に子犬のうちは、いろんなものに興味を持つことは自然なことだと思ってるし、そうであってほしい。
あらゆるものの匂いを嗅いで、手で触って、口に入れて感覚や味を確かめて・・。
本当に触って欲しくないものは、人間がそれを遠ざければ良いし、もしそれを触って壊してしまっても、仕方がないように思うのだよ。
触りたくなっちゃったのだし、大好きな人の匂いがついていたら、尚更、触らずにはいられないのでしょう。
もちろん、その行為が良くない、ということははっきり教えなければならないけれど、人間のルールを無理に押し付けて、犬の本能を捻じ曲げちゃうのは、ちょっと違う気がするのだよ。
サフィーのお友達のオーナーさんと話していると、お友達には、たいてい苦手なお友達(犬)がいることが分かったんだ。
でも、サフィーには、苦手なお友達がいない。
どのお友達とも仲良く遊ぶし、どんな人間にも寄っていく。
サフィーは恐れがなくて、誰にでもフレンドリーで、無邪気。
もちろん犬種(ラブラドール)の特徴もあると思うけれど、やっぱりそれがサフィーの個性なのではないか、と思うんだ。
ここで私がサフィーに手を上げて、サフィーが人間は手を上げるものだ、手は痛みを与えるものだ、なんて学習してしまったら、おそらく、サフィーは人間に近づいて、自らへそ天をして、なでなでを要求することは無くなってしまうのじゃないかな。
つまり、サフィーの持つ、無邪気さや愛くるしさが壊されてしまうような気がする。
『じゃぁ、イタズラされたらされっぱなしでいいの?』ってことになると思うのだけれど、やっぱりそうはいかない。
第一に、他の人や犬にも安全な存在でいてもらわなくては困るよね。
どうしたら良いのか。
いろいろな方法があるのだろうけれど、私は、『なぜそんなことをしたのか』、そして『どうしたらそれが防げるのか』を考えて、行動に移すことが大切なのじゃないかと思うんだ。
もしかしたら、ストレスが溜まっていたのかもしれない。なら、お散歩の時間を伸ばそうかな?とか、もう少し激しい運動をさせようかな?なんて考える。
実際、メガネを壊した後から、1日1回、2枚のフリスビーを使って遊ぶようにして、もっとサフィーを疲れさせるようにした。
退屈だった、っていうことも大きいかもしれないね。もっとかまって欲しかったのかもしれない。それから、ドッグトレーナー曰く、退屈しのぎに、月に1回のペースで、新しいトリックを教えるのも、一つの手のようよ。
また、問題が起こった時に、きちんと叱るってのは、とても大切。『No』ではなくて、『どうしてほしいのか』を指示するのだって、サフィーの学校で学んだな。
そして、無視をすることは、犬にとっては一大事らしい。大好きな人に無視されたら、つらいものね。そこから、ダメであることを学ぶんだね。
逆に、良いことをしたときには、思いっきり褒めて、ご褒美を与える。これで、メリハリをつける。
問題が起こらないように、こちらがもっと環境を整える。触って欲しくないものは、徹底的に遠ざける。問題を起こしにくい環境を作っちゃえば良いのだよね。
そして、トレーニングを続ける。
今思いつくだけでも、できることはいくつもあるね。
それぞれに状況や事情があるし、一概に手を上げることを否定したりはしない。
でも、悪いことをしたからといって手を上げることに直行することは、やっぱり私のやり方ではないな。
まとめると・・
しつけの方法は五万とある。いろいろな人がさまざまな意見を持っていて、特に私のように初めて犬を育てている立場だと、それに振り回されそうになる。でも、本当に大切なことは、他の人の意見を聞きつつ、自分と愛犬に合った方法は何かを追求して、それを信じて、ブレないことかもね。
私の場合は、悪いことをしたときには、きっちりサフィーを叱るけれど、手は上げない。手を上げることによって、サフィーの個性や、サフィーとの信頼関係が崩れる可能性があるならば、出来得る限り、その行為は回避する。
その結果、将来サフィーがどんな仕上がりになるのかは分からないけれども、こればかりは育ててみないことには分からないよね〜。
愛情をたっぷりかけて、育ててみましょう🥰