エステの学校で面接を終えて帰宅するとすぐに、学校のトップに薦めてもらった『Vodder School』について、早速検索した。
リンパマッサージを学ぶための学校だ。
ウェブサイトに書いてある内容を読んだ。
Dr. Vodder によって1971年に創立された、オーストリアに本部を置く学校だった。
コースは、医療従事者とエステティシャンの2つのコースがあった。
医療従事者のコースは、リンパ浮腫等、医学的に問題のある人を対象に施術を行うコース。
一方、エステティシャンのコースは、ニキビの改善や痩身、セルライトを落とすことなどが、内容に含まれていた。
医療従事者は、その資格を持って、レベル1から受けられる。
エステティシャンコースを受ける者は、Level1のコースを受けるにあたり、エステティシャンの資格を持っていることが必要だ。
私が受けたいのは、エステティシャンコースだ。しかし、私は看護師資格はあるが、エステティシャンの資格はない。
『エステの学校を終了して、エステティシャンの資格を取得してから出ないと、リンパマッサージのお勉強を始められないのか?エステの学校が始まる前に、できるだけ終わらせてしまいたいのに・・。』
ウェブサイトの情報だけではよく分からなかったので、担当者にメールで質問をした。
すると、すぐに返信が来て、『看護師の資格があるのなら、エステティシャンコースの受験資格があります』とのことだった。
私が受けるべきコースは、「Level 1 Theory」,「 Level 1 Practical」,「 Advanced Neck and Back Course」, そして 「Advanced Body Course」の4つだ。
Level 1 Theory と Practicalは、医療従事者とエステティシャン、共通のコースだ。
コースのスケジュールを確認してみると、今すぐに私が始められるコースが1つだけあった。
Level 1 セオリーコースだ。
これはオンラインで終了できる、唯一のコースだった。
残りは実際に先生から教わるスタイルらしい。
しかし、その教えてくれる場所というのが、とても不便だった。
先生が世界中に散らばっていて、間の悪いことに、その時点では、アメリカでのクラスの予定は一切出ていなかった。
一番近いところで、カナダのバンクーバー。
しかも、早くて来年の3月にLevel 1 Practicalのクラスの空きがあり、それ以前のクラスはすべていっぱいになっていた。
その3月のクラスも、空きが残り3つしかなかった。
『これは困った。とにかく今できることをしてしまおう。』
その日のうちに、Level1 セオリーコースに申し込んだ。
そのコースは、2週間後からスタートできるとのことだった。
申し込みを済ませて、すぐにAmazonで教科書を注文した。
集中力に問題があるので、少しでも早く内容に触れたかったのだ。
翌日に教科書が届いた。
ペラペラめくってみたけれど、難しそうだった。
それと同時に、担当者と連絡をとりながら、残りのコースの申し込みを始めた。
その結果、「Level 1 Practical」と「Advanced Body Course」の予約ができた。
両方とも、来年上旬に開催されるのだけれど、場所がカナダのバンクーバー。
ここが一番近かった。
どちらも4日ほどのコースだ。
『バンクーバーともなれば、早めに航空券やホテルも予約しないと。サフィーのペットホテルも探さなきゃ。それより何より、ずっと先延ばしにしていた、パスポートの申請をしなくちゃな・・。』
ちなみに、その時点では「Advanced Neck and Back Course」は韓国でしかコースの予定がなかった。
なので、担当者にカナダかアメリカでそのコースを開催してほしいと希望を出しておいた。
そんなことをしていると、数日後、Level 1 セオリーコースを開始ても良い、と連絡が来た。
早速、そのオンラインコースを始めた。
リンパのことを詳しく学んでみると、その仕組みや効果がとても興味深く、面白かった。
でも、内容はもちろんすべて英語で書いてあるし、集中力も記憶力もないから、同じ文章を何度も何度も読み直しながらの学習は苦痛だった。
その上、気管支炎がものすごくひどくなっていて、病院へかかり、抗生剤やら吸入剤など、数種類のお薬を服用しており、とにかく具合が悪かった。
寝ていても咳こんで起きて、吐く。
あまりにも強い咳が続いて、ちびってしまいそうになる程。
少し勉強をしては、すぐに疲れてしまう。
かといって、ずーっとベッドで休んでいることもできず、テストのことも気になって、結局机に戻る。
そんな感じでお勉強を2週間ほど続けて、テストを受けることにした。
『え〜い!テスト、受けてしまえ!』
テストは、2回まで受けられるらしい。
3回目に不合格だったら、アウト。
とても緊張した。
が、思い切って受けてみた結果、1回目で合格することができた。
『良かった〜。これで心置きなく休める!』
ホッとしたのと、達成感とで、心と体の温度がしばらく上がったような感覚が残った。
『テストに受かったとはいえ、細かいところがまだ分かってないように思えるから、1月にエステの学校が始まるまで、ゆっくり復習しよう。』
そのときは、その後に起こることなど知らず、そんなのんびりしたことを考えていた・・。
10月上旬の出来事だった。