2023年4月18日(火)
(『まずはおうちで訓練を』、のつづき)
課題1と2を終え、とりあえず身体的に無理のある課題3(車の乗降)は保留。課題4(店内の歩行)に取り組むことにした。
昨日までに、あらかじめドッグフレンドリーのお店を調べておいた。普段お世話になっているPetcoやPetSmart, Pet Supermarketなどのペットショップは言わずもがな。他にも、LowesやHome Depot(ホームセンター)、Barns & Noble(書店)、Anthropologie, J. Crew, Gap, Old Navy(アパレル店)など、多くの店が、サービスドッグ以外の一般の犬の入店も受け入れてくれている。サフィーを迎えるまでは気にも留めていなかったけれど、こうして見てみると、多くの企業がペットに寛容なことがわかる。これも、アメリカならではじゃなかろうか。
プランとしては、始めはとにかく数をこなして、人のたくさんいる新しい環境に慣れてもらうことにした。
午前中、TMS治療とIOPを終えて、午後からお店へ向かう。
記念すべき第1回目のサービスドッグの訓練は、Targetという、アメリカではとても庶民的な大型スーパーを選んだ。サービスドッグなら、ホームセンターよりも、本屋さんよりも、アパレル店よりも、まずは生活に密着しているスーパーに慣れるべきだろう、と考えたからだ。
サフィーには今朝Amazonから届いたばかりの真新しいベストを着せた。"Service Dog in Training(サービスドッグ訓練中)"のステッカーが貼ってある。見た目だけはなかなか様になっている。
私も腰にはおやつのたっぷり入ったポーチを下げて、準備万端。おやつは、前日に食いつきの良いものを、小指の爪の半分ほどの大きさにカットしておいた。
入り口まで行くと、念の為お店のスタッフに犬を中へ入れて良いか確認をとる。OKが出て、早速入店。
・・・覚悟はしていたが、予想以上に手こずった。
新しく見る多くのものや音、匂いにつられ、あちこちに行ってしまう。店内放送にキョロキョロする。マネキンも珍しいらしい。ポスターに映る人には吠える。一番下の棚に置いてある商品に興味を惹かれる。床に落ちているゴミに足が止まる。通りかかる人には、撫でてくれと自ら寄って行ってしまう。そして、買い物中の人からも、撫でても良いかと何人にも聞かれる。。結局店内を2周して終わったのだけれど、店内を出て車に戻った時には、どっと疲れが出てしまった。サフィーも初めてのことにくたびれたことだろう。家についた後は、よく眠っていた。
しかし、初日とはいえ、これは先が思いやられる。。
この訓練を始める前も後も、Barns & Nobel(書店)やWhole Foods(スーパーマーケット)、中華街の中のスーパー、アパレル店、家具販売店、ホームセンター、手芸店、ペットショップ、ビーチ等、とにかく様々なところに連れて行ったが、結果はほぼ似たり寄ったり。Barns&Nobelに至っては、店内でお漏らしまでしてしまった。あああ・・やってしまった。。綺麗に後始末をして、店員に頭を下げる。
こんなことを何回も繰り返した。
子犬だし、とにかく落ち着きがない。そんな幼いサフィーを私に集中させて歩くにはどうしたら良いか?そもそもできるのだろうか?いや、きっとできるはず。
自分の中で自問自答しながら、自分を励ます。
野外訓練と並行して、普段のお散歩中から、常におやつを大量に持って、サフィーを私の左側につけて歩く練習をした。私の方に注意を向けたらその都度おやつを与え、褒めちぎる。練習すればするほど上手くなっていく。これは希望があるかもしれない。
訓練だけになっては気が詰まってしまうので、お夕飯後の1日最後のお散歩は、とにかく気のむくままに歩かせている。寄り道したいだけ寄り道させ、とにかく自由に遊ばせた。サービスドッグになったとしても、サフィーらしい天真爛漫さは持ち続けてほしいという私のわがまま。でも、こんなことも、訓練学校ではなく、自分で訓練することを選んだからこそできることだろう。正直いえば、THEサービスドッグ、といったような、機械的な犬にはなってほしくないのだ。とにかくサービスドッグとして最低限のことができればいい。私も試行錯誤を繰り返しながらトレーニングをしているから、自分の方法が正しいなんてわからない。とにかく、サフィーに適した方法を探りつつ、楽しく訓練できる方法を模索し続けるしかない。
しばらくは、課題4の訓練に集中していく。
こうやって振り返ると、犬も人間同様に、いろいろな人に受け入れられ、失敗を許してもらいながら成長していくのだね。日々感謝しかない。
(『課題4(店内歩行)、クリア!』につづく)