『なんでそんなに犬を学校に通わせるの?』『どうして犬の教育にお金をかけるの?』
学校のことを話すと、そんなことを言われることもある。私も昔はそう思ってた。『えっ?犬でしょ?!』ってね😆
これはとても核心をつく質問。正直にいえば、私の今の状況でサフィーを学校に通わせることって、なかなか簡単じゃない。体力的なこともあるけれど、経済的にとてもダメージが大きいことは事実。
もちろん、学校にやったからといって、サフィーがお茶を淹れてくれるようにはならない。だけど、私はそれだけ価値があると思っているのだよね。
サフィーは、最低限のおもちゃしか持っていないし、その大半は遊び倒してクタクタ。ペットショップのグルーミングだって本当に必要な時だけしか連れて行かない。だけど、食事と教育と医療だけは、良いものを与えたいと思っているんだ。どうやら、私はそういうところに価値を置くタイプらしい🥰
サフィーには、健やかで、良いマナーを身につけた、愛される子に育ってほしい、と思っている。私には、サフィーをしあわせにする責任があるし、サフィーが安全に周りの人や動物たちと関わっていけるように育てていかなきゃね。
Petco学園のパピークラスを卒業と、AKC S.T.A.R. Puppy テストを終える前後から、今後サフィーをどの方向に導くべきかを本格的に考え出した。
『サフィーの良さを引き出しながら、サフィーが一番しあわせになれることってなんだろう?』ってずっと考えていたんだ。
サフィーが一番しあわせそうにしている時は、間違いなく撫でられているとき。
お散歩中も会う人会う人に興味を示し、近寄っていってナデナデしてもらう。しかも、その後おなかを見せて、タミーラブまで要求できちゃう甘えん坊に成長している。結果、アパート内にサフィーのファンができてしまったぐらいだ。
これは人間にだけではなく、他の犬に対してもそう。
アタックされない限り、ウー、と唸られようがまったく物怖じせずに遊ぶ。他の人や犬に唸ることとも、歯を剥き出すこともほぼない。
子どもたちに囲まれて遊ぶことも大好きで、5−6人の子どもたちが周りで走ろうが、一緒に追いかけっこをしようが、今のところは、噛みつくこともないし、吠えることもない。
そう。サフィーは他の人や犬が大好きで、甘え上手で、超社交的に成長した。
こういう特性を活かせるのって、私の知る範囲では、セラピードッグだったのだよね。
他にもアジリティーに打ち込むとか、ダンスをするだとか、得意な泳ぎを活かして水中競技やレスキューを学ぶとか、トリックを極めるだとか、いろいろ選択肢はあるみたいなのだけれど、サフィーにはまずセラピードッグじゃないかな、と思ったんだ。
サフィーの長所をもっと伸ばしてあげて、他の人に優しく接するマナーを本格的に身につけさせたい。これから先、他のことに挑戦するにしても、マナーが身についていることはどの分野でも基本になってくるだろうし、関わる相手も安心できるだろう。
サフィーは今、私と四六時中一緒にいるけれど、近い将来、環境はだいぶ変わってくるだろう。私の体調がよくなって社会復帰をしたら、サフィーは1人で過ごす時間がぐんと増えるのだ。その分ストレスも溜まる。そんなとき、週末も私が疲れたからといって家でのんびり過ごすよりは、外に出向いて、いろんな人たちと会って可愛がってもらった方が、サフィーにとってしあわせなことではないかと考えた。
そして、私にとっても、サフィーがセラピードッグになることによって良い効果があると思う。サフィーがセラピードッグとして活動するには、私がついていく必要がある。そうなると、私もたくさんの方々に出会う機会にもなるし、サフィーを通して誰かと話す機会にもなる。加えて、なによりも、社会貢献ができているということは、私の自信に繋がっていくのではないかと思うんだ。
セラピードッグの学校を探しているとき、そこで活動されているボランティアの方のたくさんの写真を見たのだけれど、みんな笑顔が優しかったのだよね。歯を剥き出したお決まりのポーズからは出てこない、深い優しさのようなものが写真から伝わってきたんだ。それを見ていたら、『この人たちに会ってみたいなぁ〜。この人たちの仲間に入りたいなぁ〜』なんて、私にとってものすごく珍しいことを考えていた。
だから、サフィーをセラピードッグにすることは、他の誰かに癒しを与えられるだけでなく、サフィーと私の世界と可能性を大きく押し広げてくれるものになるのではないか、と期待しているんだ。一度身につけてしまえば、長く活動できるだろうし、どこに引っ越したって、今までの経験を活かして、また新たな地で社会貢献もできるしね。価値ある選択ではないかと思っている。
もしサフィーがめでたくセラピードッグデビューに至ったあかつきには、ボランティア活動が始まっていく。その活動先として、はじめは病院のみしか考えていなかった。けれど、調べてみると、他にも会社や学校など、セラピードッグを必要としている所はいろいろあるのだね。その中で私が強く惹かれた場所は、空港。ヒューストンにはジョージブッシュ国際空港 (George Bush Intercontinental Airport) という国際線も入る大きな空港があるのだけれど、そこでもセラピードッグが活躍しているのだそう。
空港なら、サフィーが忙しい人を癒すだけでなく、私も道案内をしたり、多少誰かの手助けになれるかな、なんて想像を膨らませてワクワクしている。
セラピードッグになるまでにはまだまだ先は長いのだけれど、ローマは1日にしてならず。今やれることをコツコツと、楽しみながらやっていこう。