燃え尽き症候群・重度うつ病

「うつ」と「うつ病」って違うの?

『えっ?「うつ」と「うつ病」って違うの?』と思われた方も多いのではないだろうか。

結論から言うと、この2つ、同じ意味で使われることもけれども、正確には、同じものではない

今回は、この2つの違いを示した上で、ちょっと『うつ病』について書いておこうと思う。

このブログで中心に出てくるのは『うつ病』なのだけれど、私の経験をもとに、患者目線で見た『アメリカでのうつ病の治療と日常生活』についてもどんどん触れていきたいと思っている。なので、その前置きとして、『うつ病』について書いておいた方がいいな、と思った次第。これを説明しないで、先には進めないでしょう?なんとなく、今後発信していく『うつ病』の情報が、どこかで、誰かの役に立つのではないかなぁ、という気がするんだよね。

というわけで、今回は私の経験も織り交ぜながら、病気のことを中心に書いていく。私は看護師だけれど、精神科の専門家ではないから、本や信頼できるデータをもとに書く。一般人のブログとはいえ、できる限り、間違った情報は出したくないしね。基本情報なので、もう知っている人は飛ばしていただいて、オッケー☺️

長くなってしまったので、目次をつける。


【もくじ】

  1. 『うつ』とは?『うつ病』とは?
  2. うつ病の症状とは?
  3. うつ病になる原因ってあるの?
  4. うつ病になりやすい人の特徴は?
  5. うつ病ってどんなふうに現れるの?
  6. 体の中で一体何が起こっているの?
  7. モノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)をもう少し詳しく
  8. うつ病かな?と思ったら、どうしたらいい?
  9. うつ病の治療方法は?
  10. うつ病の薬ってどんなものがあるの?
  11. うつ病が良くなってきたら、薬の服用はやめていい?
  12. アルコールは飲んでも大丈夫?
  13. うつ病の回復の流れは?
  14. ホットラインはあるの?

1.【『うつ』とは?『うつ病』とは?】

『うつ』は、一時的な心の状態。症状としては、気分が落ち込み、憂鬱になる。そして、やる気が出ない等の状態になるのだが、数日もあれば回復し、日常生活にそれほど支障はない。学校や仕事を続けることもできるし、気晴らしをすれば気分を回復させることもできる。時間が経てば、自然に治ることが多い。健康でも、時々憂鬱な気分になったりするけれど、そういうものは、この『うつ』にあたる。

『サザエさん症候群』は、巷では「うつ病」なんて言っている人もいるけれど、軽度で、且つ一時的なものなので、正確には『うつ』になるね。

一方、『うつ病』は、「抑うつ障害」の一つで、脳(心)のエネルギーが欠乏し、日常生活に支障をきたすレベルの深刻な「うつ状態」が、2週間以上続く病気を指す。

この2つは、時間的経過から判断されて、「うつ状態」が、2週間以内で治れば、『うつ』。2週間以上続くと『うつ病』となる。ちなみに、『うつ病』ほど深刻ではないものの、憂鬱や、無気力などの「うつ状態」が2年以上続くと、『持続性抑うつ障害』と呼ばれる。

と、まぁ、こんな具合に分かれているんだね。

それでは、『うつ病』をもう少し詳しく見ていこう。

2.【うつ病の症状とは?】

中心となる症状は「うつ(抑うつ)」。ひどく憂鬱な状態が続いて、とにかく無気力で、何にも興味が湧かず、何をしても面白くないという状態に陥る。

その他にも、睡眠障害、意欲低下、倦怠感、食欲不振、痛み(頭痛・関節痛)、性欲低下、手足のしびれ、便秘、月経不順、息苦しさ、理解力低下、判断力低下、集中力低下、記憶力低下など、さまざまな症状がみられる。結果、重症度によって差はあるものの、学校や仕事に行くことや、家事すること、簡単な日常生活を送ることさえ困難になる。

3.【うつ病になる原因ってあるの?】

この『うつ病』の原因は、その多くが精神的ストレスでも、原因が1つだけ、ということはあり得ない。というのも、同じストレスでも、あなたは耐えられるけれど、私は耐えられないこともあるじゃない?そうなると、ストレスだけでなく、性格や育ってきた環境、遺伝などの原因が複雑に絡み合って、『うつ病』を発症していくのだね。

じゃあ、精神的なストレスってなんなの?っていうと、これは大きく3つに分けられるんだ。「ライフイベント」「慢性的なストレス」「日常的ストレスの3つ。

  • 「ライフイベント」とは、日常に大きく影響を与える出来事。例えば、結婚、離婚、死別、転職、引越し、異動、昇進、リストラなど。(特に結婚なんて自分の意思で決定していくことが多いと思うのだけれど、自分で決めたことなのに、大きなストレスになっていくのも興味深いよね、と思うのは私だけ?)
  • 「慢性的なストレス」とは、『うつ病』の極めて重大な危険因子。例えば、慢性疾患の持病、学校でのいじめ、職場での人間関係のトラブル、家庭不和、DV、経済的貧困など。
  • 「日常的なストレス」とは、日常生活の中で経験する不快な出来事から苛立ちや不満が生まれ、ストレスになっていく。例えば、家事・育児、ママ友との関係、近所付き合い、家計のやりくり、通勤など。

繰り返すけれど、同じストレスを受けても、その人にどう影響を与えるかは、その人の受け止め方や、考え方次第。そのストレスをプラスに変換できる人には、それほど心の負担にはならないことでも、ものごとを暗く、マイナスに受け取る人にはストレスが与える心の負担は非常に大きなものとなってしまう。→自分の考え方の傾向をよく観察して、傾向を変える努力をしていくことで、ものごとに対する捉え方を改善し、ストレスから自分の身を守っていけるようにしよう。

4.【うつ病になりやすい人の特徴は?】

生真面目な性格の人。いわゆる、タイプAと言われる人ですね。

日本うつ病センター副理事長の野村総一郎氏は、著書の中で、以下のように記している。

うつ病になりやすい性格は、2つあります。ひとつは、ドイツのテレンバッハが提唱した「メランコリー親和性性格」、もう一つは「こだわりの強さ」です。

「メランコリー親和性性格」なにごとも決まったことは、きちんとこなします。きまじめで几帳面。自分の中のルールにこだわり、どんな状況でも自分のぺースをくずしません。また、人に迷惑をかけたり、摩擦が生じたりすることを極端におそれます。他人にとても気を遣い、無理に周囲に合わせようとして、いやでもいやといえません。その結果、周囲からはきまじめでいい人という評価をされています。

「こだわりが強い」うつ病の人のきまじめさは、ものごとに優先順位をつけにくいという特質からきているといいます。これは、「徹底してやったから成功した」という成功体験をくり返す中で、全部やり遂げようとする傾向が強くなっているからです。複数のことをこなさなければならないとき、「これは大事」「これはどうでもよい」という重みづけができないと、何を切り捨てても後悔が残ります。こだわりが強いと切り捨てることができず、全部やろうとするから苦しいのですが、やらなければさらにつらくなってしまうのです。

興味深いなと思ったことなのだけれど、IOP(グループカウンセリング)に参加していると、ほぼ全員、見事に完璧主義者。もし責任感の超強いこの人が集まって会社を作ったら、ものすごいものが作れちゃいそうだよなぁ・・なんて思うことがある。やりがいは感じつつも、ちょっと息苦しい気もするけど。。もしかすると日本は、強い責任感、協調性、道徳心を要求するから、社会全体がこんな感じなのかもしれないね。

5.【うつ病ってどんなふうに現れるの?】

はじめは、軽い落ち込みなどの精神的症状や体調不良から始まって、不眠などの身体的不調もほぼ同時に現れる。症状は徐々に重くなっていき、体はどんどん重くなり、体を動かすことが苦痛になってくる。気分もさらに落ち込んでいき、思考は暗くなる。また、死を考えるようになる。

うつの初期症状は、急に現れることが多い。

6.【体の中で一体何が起こっているの?】

『うつ病』は、脳の中の感情を生み出す大脳辺縁系や、思考をつかさどる前頭葉の働きに、トラブルが生じるために起こる病気。

『うつ病』起こる原因はまだはっきり解明されていないのだけれど、「モノアミン仮説」「神経細胞(新生)仮説」「受容体仮説」など、いくつかの仮説がある。最近は「モノアミン仮説」と「神経細胞(新生)仮説」が有力らしい。

  • 「モノアミン仮説」モノアミンとは、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンの総称。これらは、脳の神経細胞から放出され、情報伝達に使われる神経伝達物質で、3つ一緒に働くことが分かっている。このモノアミンの量がが少なくなることが原因なのではないか、と考えるのが、この「モノアミン仮説」と呼ばれるもの。けれど、モノアミンを増やしただけでうつ病が必ずよくなるということはない。
  • 「神経細胞(新生)仮説」脳の細胞は、生まれた後は減ると信じられてきたけれど、最近の研究で、脳の一部では、細胞の新生(細胞が新しく作り出されること)が起こることが解明された。この「神経細胞(新生)仮説」は、その細胞新生が起こりにくくなることが、うつ病の原因になるのではないか、という考え方。
  • 「受容体仮説」神経伝達物質を受けとる受容体の数や働きは一定ではない。脳の中では、放出される神経伝達物質が増えると、受容体は減少して、感受性が低くなり、逆に、神経伝達物質が減れば、受容体の数は増えて、感受性が高まるようになっている。例えば、放出されるモノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)が少ない場合、モノアミンの受容体は増える。逆に、ストレスなどで、急にモノアミンの量が増えれば、モノアミンの受容体は減る。すると、情報の伝達がうまくできなくなった結果、うつ病になってしまうのではないか、と考えるのが、「受容体仮説」

この仮説をちょっと頭に入れておくと、うつ病の薬(抗うつ薬)を理解する上でとてもわかりやすい。

7.【モノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)をもう少し詳しく】

『うつ病』のことを調べると、必ずと言っていいほど、この「ドーパミン」、「ノルアドレナリン」、「セロトニン」という3つの言葉が出てくるね。これを知っていると、『うつ病』に関する情報がもっと簡単に頭に入ってくると思うから、この3つがどういうものかを、ここでサラッと見ていこう。

「モノアミン」、つまりドーパミン」、「ノルアドレナリン」、「セロトニン」の3つは、ストレスに関係するホルモン。また、神経細胞と神経細胞の間(つまり、シナプス)で情報伝達をする時に必要な、神経伝達物質としての役割も持っている。つまり、この3つは、ストレスに関するホルモンであり、神経伝達物質なんだ(役割でホルモンか神経伝達物質かが違ってくるだけなので、ストレスに関係していることを知っていればオッケー)。

  • 「ドーパミン」は、幸せ、喜び、快楽、意欲をもたらす働きをもつ例えば、なにか目標を達成したときに感じる、あの満足感や達成感が湧いているときも、ドーパミンがたくさん出ている状態なんだ。それが逆に不足してしまえば、無関心や性機能、運動機能の低下が起こる。
  • 「ノルアドレナリン」は、ストレスに立ち向かおうとするときに働く。不安や緊張、集中をもたらしてくれる。しかし、ノルアドレナリンの量が増えすぎると、パニックやヒステリーになってしまう。不足すると、無気力になり、意欲や集中力が低下する。例えば、ストレスがかかった場合は、血液中にノルアドレナリンの量が増えて、心拍数や血圧を上げてくれ、ストレスに立ち向かえるように身体を準備してくれる。つまり、脳も身体も、戦闘モードになるんだね。
  • 「セロトニン」は、ドーパミンとノルアドレナリンの量のバランスをとってくれている。不足すると、感情のコントロールが難しくなってしまい、心のバランスがとれなくなってくる。

8.【うつ病かな?と思ったら、どうしたらいい?】

精神科医に相談しよう。そして、とにかく休養を!

と言っても、「精神科医ってハードルが高いのではないかな?私も、もう完全におかしいな、ほぼ完璧に『うつ病』だな」、と思い、死を意識して初めて精神科医にかかったのだよね。

本当に初期は、普段健康診断をしてもらっている、かかりつけ医に相談してみるとよいとも思うのだけれど、私の経験から、少し注意して欲しいかな、と思うことがあるので、書いておこう。

私が精神科医から『燃え尽き症候群による、重度うつ病』と診断を受けたのが、昨年2022年の6月9日。だけど、実は、5月のはじめには、いつも行っていた勤務先のクリニックに行っていたのだ。で、そこでナースプラクティショナー(NP)が、『うつ病』のテストをしてくれ、スコアが高かったのだけれど、結局精神科にかかりなさい、と指示されることはなく、今日はお仕事をお休みしてください、と言われるのみだった。で、その後も何度もクリニックへ足を運び、同じNPに診てもらっていたけれど、最終的に担当をドクターに替えてもらった。すると、すぐに精神科医にかかるようにとの指示があったんだ。その時ドクターは、「なんでこんなになるまで働かせてたんだ!」って相当お怒りだった。実は1月から、EAP(Employee Assistance Program)のカウンセリングも受けていて、体調の変化も訴えていたこともあって、その後、カウンセラーが直ちに動かなかったことで、かなり問題視されたんだ。

ここで強調しておきたいのは、私は決して、NPやカウンセラーは信用ならない、とはまったく思ってない。私が言いたいことは、病院にかかっても、メンタルヘルスに強い人に当たればよいけれど、もし外れた場合、初期治療が遅れてしまう、ということ。それは、NPやカウンセラーに限らず、医師も力不足であれば同じこと。だから、もしおかしいと思ったら、直接精神科医にかかるか、もしかかりつけのクリニックに相談するならば、聞き方を工夫すること。「精神科にかかった方が良いですか?」ではなく、「精神科を紹介してください!」と言った方がいい。やっぱり、「餅は餅屋」だもの。プロに正しく判断してもらおう。だって、精神科へ行ってテストを受けて、なんでもなければそれはそれで良いじゃない?もし『うつ病』であるなら、治療は1日でも早く始めた方が良いし、まだ食い止められる段階だったら、早期発見で食い止めてしまったほうが、確実に回復は早いのではないかな?

Forbs (2023年)の発表によれば、アメリカ人の成人の約21%が精神疾患を経験しているという(https://www.forbes.com/health/mind/mental-health-statistics/)。つまり、5人に1人の大人が精神疾患を経験したことになる。また、厚生労働省の調査では、日本でも年々精神疾患を有する人の数が増えていて、2017年の時点で、すでに419万人を超えている。ということは、精神科にかかることは恥ずかしい、なんていう概念自体、時代遅れなのかもしれない。「かかりつけの精神科医」を持っていてもいいのかもね。

「あれれ?ちっとも疲れが取れないぞ」となってきた時、うつ病のセルフチェックも良い目安になると思うので、試してみるのも良いのではないかしら。参考にリンクを貼っておく。

9.【うつ病の治療方法は?】

  • 「薬物療法」投薬によって、うつ病の改善にあたる。
  • 「精神療法」代表例は、カウンセリング。対話を通して、患者さんが抱える問題について考え、患者自身の力が持つ力を引き出しながら、こころの問題の解決を目指していく。
  • 「通電療法」脳に刺激を与える治療法。TMS(Transcranial Magnetic Stimulation) も通電療法のひとつ。
  • だけどやっぱり、一番は休むこと!そして、睡眠、食事、運動の改善もとても重要になる。

日本では、今もまだ薬物療法のシェアがとても大きいのだそう。片やアメリカでは、薬物療法をベースに、精神療法も同時進行(保険会社も手伝って、ほぼ義務)。それプラス、通電療法やそのほかの治療も次から次にあの手この手が待ち受けていて、ガンガン攻めてくる感じがする。

私が通うメンタルクリニックでは、ベースの投薬とカウンセリングに加えて、TMS、またはSpravato(ケタミン系の経鼻薬)を勧められる。また、PTSDを患う人には、EMDR (Eye Movement Desensitization and Reprocessing)という、目を動かすことで治療していく方法も勧められるようだ。

10.【うつ病の薬ってどんなものがあるの?】

たくさんありすぎるので、よく使われる抗うつ薬に絞る。これらは、ほぼすべてモノアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン)をなんらかの形で調節する働きを持っている。

抗うつ薬で一番耳にするのは、やはり「SSRIs」ではなかろうか?エスシタロプラム(レクサプロ)もこの「SSRIs」のひとつで、日本でもよく使われるようだ。私がはじめに処方された抗うつ薬のひとつもエスシタロプラムだった。

「SSRIs」は、Selective Serotonin Reuptake Inhibitors の略で、日本語では「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」という。これは、セロトニンの働きを強める薬。このSSRIsによる副作用には、胃腸障害、食欲不振、頭痛、性機能の低下等があるのだけれど、これのせいか、私は副作用にだいぶ苦しめられた。頭痛、吐き気、嘔吐、食欲不振に毎日のように襲われて、生きた心地がしなかった。落ち着くまでしばらくかかるが、確実に体が慣れていく。

他には・・

  • SNRIs (Serotonin Norepinephrine Reuptake Inhibitors)」セロトニンとノルアドレナリンの働きを強める。
  • S-RIMs (Serotonin Reuptake Inhibitor and Modulator)セロトニン再取り込み阻害薬とセロトニン受容体調節作用を持つユニークな薬で、新薬。セロトニンの働きを強化。トリンテリックス、という武田薬品が出しているバカ高いお薬がこれにあたる(Webサイトにクーポンがあるから、ご利用されることをお勧めする[https://us.trintellix.com/savings-support/join-taccess]。このクーポンと加入している保険のプランによって値段が決まるのだけれど、私の場合、30日分のトリンテリックスのお値段は$75になった。クーポンを使わないと、なんと$466.35になる😭)よく効くという話を多く耳にするし、私も、遺伝子テストを受けた後で、エスシタロプラムからトリンテリックスに薬が変わった。その効果なのか、たまたまタイミングが合ってたのかは不明だけれど、間違いなく、ぐんと良くなった。
  • NaSSA (Noradrenargic and Specific Serotonergic Antidepressant)」ノルアドレナリンとセロトニンの働きを高める。
  • NDRIs (Norepinephrine and Dopamine Reuptake Inhibitors)」ドーパミンとノルアドレナリンの働きを強める。ブプロピオンが代表例。私が診断直後からずっと使っている薬もこれ。ニコチン拮抗薬としても知られていて、禁煙を目的とするために使うこともある。
  • 他にも「三環系」「四環系」というのもあるが、省略する。

薬は合うものが見つかるまで、何種類か試していく、ということを繰り返すのが主流なのだけれど、これがつらいんだ。薬が変わるたびに、副作用に苦しめられるのだから。それで薬が合わず、また違う薬を試すことになった時には、体力はほぼ消耗している上に、気持ちまで地の果てに落ちたような気分になる。今年のはじめに、IOP(グループカウンセリング)で、ドクターから遺伝子テストの説明があったけれど、私はその場で即決。これを受けることで、遺伝子レベルで自分に合う薬を、ピンポイントで探すことができ、無駄に苦しむことなく、投薬治療を続けていくとこができる。もちろんお金はかかるけれど、体力、気力、時間、お金の大幅な節約になる。強くお勧めする。

11.【うつ病が良くなってきたら、薬の服用はやめていい?】

だめ。とても危険なことと心得て。必ずかかりつけの精神科医に相談すること。せっかく時間をかけて良くなってきたのに、急に断薬してしまえば、薬の血中濃度がどんどん下がり、そのうちガクッと体の調子がおかしくなるときがくる。たまに断薬しても平気だったという話もあるけれど、それは稀なこと。投薬は、症状を抑制し、再発しないためにも続けるべきもの。症状が良くなってくると、医師から薬の量を減らしていく話が出てくるはずなので、それまで根気よく飲み続けよう。

12.【アルコールは飲んでも大丈夫?】

これも、残念ながらだめ。なぜダメなのかというと、大方の抗うつ剤もアルコールも、どっちも肝臓で代謝されるんだね。ということは、肝臓への負担が大きくなってしまうんだ。そして、抗うつ剤の効果が不安定になってしまう。期待している効果が出にくくなったり、逆に効果が急激にでたりと、とても危険なのだ。

とはいえ、ここはアメリカ。飲んだ人は結構いる。みんな一様に、「酔いが早い」、とか、中には「クラクラして怖かった(←どれだけ飲んだんだ?!)」と言っていた人もいたな。そういう私も、実は一度だけ、飲んだことがある。あああ。。私は健常時からほぼお酒を飲むことはないのだけれど、その時無性に飲みたくなって、家にあったデザートワイン(前年のクリスマスに友人からいただいた)を飲んでみた。と言っても50ccほどなのだけれど。これだけなのに、ほんのり酔いが回った。良くないから書こうか迷ったけれど、正直に書いてみた😳真似しないでね。

特に、ストレスを紛らわすために飲むのは危険だね。飲みはじめたら、止まらなくなる可能性もあるじゃない?そうすると、どんどん肝機能が低下していってしまう。ちゃんと治して、心置きなく味わうお酒の方が100倍おいしいはず!

13.【うつ病の回復の流れは?】

「急性期(発症)」→「回復期(改善)」→「再発予防期(維持)」という流れで回復していく。

  • 「急性期」発症して、症状が強く出ている時期。
  • 「回復期」調子の良い時と悪い時を繰り返しながら、少しずつよくなっていく時期。
  • 「再発予防期」症状が安定して、問題なく日常生活が送れるようになる時期。勝手な断薬への心の迷いに要注意!ここでやめたら、また苦しい日々に舞い戻るかもしれないぞ!]

14.【ホットラインはあるの?】

【アメリカ】

24/7対応で、無料。助けが必要な時は、迷わず利用しよう。ここに載せたもの以外にもたくさんあるので、平常時にめぼしいところを見つけて、冷蔵庫などの目のつくところにナンバーを貼っておくといい。

【日本】

日本全国民がいつでもかけられるような、24時間対応で、無料の電話相談が見つからない。アメリカはいくらでもあるのに。。時間が限られていると、何かと困るよね。私が見落としているだけだろうか?

他に見つからないので、厚生労働省の紹介サイトのリンクを貼っておく。いろいろ紹介されているけれど、どこもほぼ時間が決まっているようなので、チェックしてね。


長くなってしまったけれど、以上が『うつ病』について、私がずっと説明したいなと思っていたこと。読んでくれてありがとう。

はぁ〜、ようやくこれで先に進めそうな気がするわ!🥰

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